「病は気から」という言葉がありますね。
心配事があると食欲がなくなったり、緊張すると胃がキリキリ痛んだり、逆に心が弾むとからだまで弾みます。笑うことによって癌さえも小さくなるという研究発表もされているように、気持ちは確実に健康を支配します。
漢方では、気は生命活動を営むエネルギーと考えます。
気が不足する「気虚」になると全体の活力が低下し、だるい、眠い、食欲がないなど、ちょうど夏バテのような症状になります。
気が停滞する「気鬱」になると頭が重かったり、のどが詰まった感じや、おなかが張ったりします..
気が逆流する「気逆」になると、のぼせたり、発作性の動悸や頭痛が起きやすくなります。
気とは目に見えないものですが、うまくコントロールできれば健康でいられそうです。
アロマテラピーでは気分が落ち込んだときに、香りをかいでリラックスしますが、面白い事に、漢方でも気のめぐりをたて直すときに用いる漢方薬には、紫蘇やシナモン(桂皮)生姜など、とても良い香りのする生薬が使われています。
東洋と西洋、世界の両端で育まれた植物療法ですが、共通することがとても多く、興味深いものです。先ずは疲れた心をリセットして、気のめぐりを直し、本当の意味での健康を取り戻しましょう
芳香剤(深呼吸して香りを取り入れましょう)
精油は一種類でもいいですが、数種類をブレンドすると相乗効果が高まります。
一回に使う精油は合計で2~3滴です。
方法
アロマポットで水を少し入れ、そこに精油を入れます
マグカップでお湯をいれ、そこに精油を入れます
ティッシュペーパーやハンカチで精油を直接しみ込ませます。
香りが薄くなったと感じても、それはご自分の鼻の感度が鈍くなったためです。
その時は一度部屋の外に出るか、ハンカチなどで鼻を覆って深呼吸し、嗅覚をリセットしてみましょう
薬には、本来の使用目的となる作用「主作用」と、目的以外の作用「副作用」があります。
厳密に言うと副作用にも害を及ぼすものと、そうではないものがありますが、一般には主作用は身体にとって有難い作用、副作用は有難くない作用という意味で使われています。
副作用の多くは3つの原因が考えられます。
1.本来の薬の持つ主作用が強く現れ過ぎてしまった場合。たとえば便秘を治す薬が強すぎて下痢を起こしてしまう。睡眠剤をのんでぐっすり眠れたが次の日も一日中眠いなど
2.薬の主作用以外の作用が強く出過ぎてしまった場合。たとえば花粉症の薬をのんだら鼻水は治まったがひどく眠くなったなど
3.薬に対して身体が特別の反応を起こしてしまう場合。ある薬を飲んで体中にブツブツが出来てしまった。
ある薬をのんだら体中の筋肉が痛くなったなどいずれにしても副作用を避けるためには、きめられた量、使い方を守ることが、なにより大切です。私たち薬剤師は常にこの副作用を頭においてお薬の説明をしています。
少しでも気になる時には、お医者様又はかかりつけの薬剤師に相談してください。
薬は身体にとって大変役立つものですが、間違った使い方をすると身体を壊す「毒」にもなりかねません。
そして、これはアロマテラピーにもあてはまることです。
精油に含まれる成分には、薬として使われているものも多くあります。
心と身体の健康にとても役立つアロマテラピーですが、使い方次第で身体を壊す原因になることも考えられます。
≪安全な使い方≫
肌に塗布する場合、精油は植物油、エタノールなどで100倍以上に薄めて使いましょう。出来上がり量10mlに対して精油2滴以内と覚えておくと便利です
≪注意が必要な精油≫
特に肌に塗布する使用法では注意が必要です。
注意を守って安全にアロマテラピーを楽しんでいただけたらと願っています。
アロマテラピーの精油には、バイ菌やウイルスをおさえる抗菌効果や抗ウイルス効果の高いものが多くあります。
人間の身体にバイ菌等が入り込むと、熱を出したり下痢や嘔吐でそれをやっつけたり追い出したりする機能が備わっているように、植物も自分の身体を守るため抗菌成分を作り出しているのです。
ある大学の微生物学教室では、どの精油がどのバイ菌を抑えるのかという実験を行っています。
バイ菌といっても種類が多く、風邪のような症状をひきおこすものから、虫歯の原因となるもの、食中毒を起こすもの、皮膚トラブルを起こすものなど、性質も強さも様々で、中には簡単には殺菌できないものもあります。
実験の結果では
ティートゥリー ローズウッド ラベンサラ タイムチモール ニアウリ
これらのものは多くの菌に対して効果があるようです。
ティートゥリーはオーストラリアの先住民族アボリジニが万能薬として使用してきました。
オーストラリア大陸を発見したキャプテンクックの探検隊がその葉をお茶として飲用したことからティートゥリー(お茶の木)と名づけられたとも言われています。
20世紀にはその優れた抗菌効果が医学雑誌に発表されました。第2次世界大戦ではオーストラリア陸軍の救急キットして負傷兵の手当てに活躍しました。
その後、抗生物質の開発により一時は注目を失いましたが、近年、抗生物質でも死なない菌(耐性菌)の発見や自然薬への関心の高まりから、再び注目されるようになりました。
ヨーロッパでは、うがいや傷、虫さされ、にきび、水虫など、イ菌を抑えることが必要な症状に用いられています。
一般の方が、精油を直接口の中に入れるのは危険なのでお勧めは出来ませんが、すばらしいティートゥリー精油の抗菌効果を利用して台所やお掃除などのハウスキーピングに大活躍するスプレーをつくってみましょう。
抗菌スプレーの作り方
材料:
スプレー容器(300ml) 無水エタノール 200ml
ティートゥリー10滴 レモン5滴 ペパーミント5滴
水 100ml
作り方:
スプレー容器に無水エタノールを入れ精油を加えよく混ぜた後、水を入れ再び混ぜ合わせます。
このとき白く濁りますが、問題はありません
2度拭きの手間も無く、すぐに触っても安心!冷蔵庫、電子レンジ、調理台などの汚れには直接スプレーしてふき取ります。
生ゴミやまな板の臭い消しにも効果があります。バイキンがつきやすいトイレ、浴室、ドアノブなど使用場所は工夫次第!
掃除から手指や空気のの消毒までコレ1本で家中で活躍しますただし、アルコールを使用しているので火気には十分注意して下さい。
漢方を勉強する時、古代中国の自然哲学である陰陽の考えが基本となります。
たとえば「陽気な性格」と「陰気な性格」など、普段から何気なく使っている言葉の中にも見られるように、「陽」活動的で明るく、温かいイメージのもの)と「陰」消極的で暗く、冷やかなイメージのもの)との相対的なもののとらえ方です。
自然界では天と地、太陽と月、夏と冬、昼と夜、動と静など。
人間においても、暑がりの人と寒がりの人、外交的な人と内向的な人など、相対的に陽と陰に二分されます。
健康とはこの陰陽のバランスがうまく取れている状態であり、何らかの原因で陰陽のバランスが崩れた状態になると健康ではなくなる。ということが古代中国数千年前からの病気に対する考え方です。
この考えを基にして現代の生活でみてみますと、いたるところに病気の原因があるように思います。
夏なのにまるで冬のように冷房で温度を下げたり、夜なのにまるで太陽のように明るい光が輝いていたり、働き(動き)過ぎて休む(静かにする)時間をとれなかったりと、これでは陰陽のバランスのとれた健康な状態からどんどん遠ざかってしまってもしかたありません。
そんな現代に暮らす私たちの健康を守るためにアロマテラピーがお役に立ちます
太陽が昇る時間帯には、身体も心もシャキッとするリフレッシュ系のアロマを利用して活動的(動)に過ごしましょう。そして日が沈む時間帯には一日の疲れを癒すリラックス系のアロマを利用してゆっくり(静)過ごしましょう。
アロマポットやディフューザー等を用いてお部屋で香りを焚く方法をお勧めします。
香りの刺激が直接鼻から脳に伝わりリフレッシュやリラックスなど、陰陽のバランスを整えてくれるでしょう。
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